学校広報の活動内容とは? 学校広報に「ブランディング」が重要な理由についても解説

学校の広報というと、学校からのお知らせやイベント情報の発信という役割しかないと思っている方も多いかもしれません。しかし、広報活動には教育方針やビジョンを伝える役割があり、広報を強化することで生徒数の減少を食い止め、意図しないデマの拡散を防ぐ効果があります。加えて、校外からの協力の獲得やブランドイメージの向上など、数多くのメリットを得られます。本記事では、学校広報を強化すべき理由やそのメリット、広報の活動内容、さらに学校広報に「ブランディング」の視点を入れることの重要性を解説します。

目次

学校広報に力を入れるべき理由

少子化により生徒数が減少しているため

少子化により生徒数が減少している学校は少なくありません。学校広報は学校の内情やイメージを発信する役割を担っているため、学校広報を通して、生徒募集の強化を図る必要性が高まっています。
また、生徒数の減少に直面している学校は増えていることから、単に学校の内情を伝えるだけではなく、近隣校と差別化を図り、より魅力的に見せる活動が求められています。

意図しない噂話やデマの拡散を防ぐため

近年では、あらゆる情報がSNSを通じて拡散されやすい状況にあり、意図しない形で噂話やデマが広まってしまうリスクが高まっています。
学校広報により定期的な発信を行うことで、常に正しい情報を世間に伝えることができるため、根拠のない噂話や誤解を生む情報が出回った際も、不必要なトラブルの発生を防げます。

学校広報を強化することのメリット

認知度向上と入学希望者の増加

広報活動の強化により、学校の存在がより広く認知されます。特に地域社会や潜在的な受験生、保護者に対して学校の特色や強みを効果的に伝えることが可能ですこれにより、学校の認知度が向上し、入学希望者が増える可能性が高まります。
また、学校の取り組みや実績がメディアで取り上げられる機会も増え、学校への関心が一層高まる効果が期待できます。

校外からの協力を得やすくなる

広報活動を通じて学校の活動や方針を明確に伝えることで、学校の信頼性が向上することもメリットです信頼される学校づくりが進むことで、保護者や地域社会、企業からの信頼を得やすくなり、その結果として協力や支援を受ける機会が増えます。
また学校広報によって、普段から正確な情報を定期的に発信することは、誤解や根拠のない噂話の拡散を防ぐことにもつながります。

学校のブランドイメージの向上

広報活動を通じて学校の教育理念や強み、特色を地域や保護者に伝えることで、学校のイメージ向上につながります。これにより、地域社会や教育関係者の信頼を獲得し、学校のブランド価値を高めることができます。

生徒・保護者への安心感と信頼感の醸成

学校の取り組みや成果を広報で公開することで、生徒や保護者にその学校が透明性の高い組織であるという印象を与えることができます。特に、学内外の活動や行事、実績などをこまめに発信することで、学校が生徒の成長や教育活動に積極的に取り組んでいる姿勢を示せるため、保護者の安心感と信頼感を醸成することが可能です。

学校関係者への認知度向上

広報を通じて卒業生や地元企業、教育機関との関係性を深め、ネットワークを広げる効果が期待できます。特に卒業生のネットワークが強固であれば、将来的に教育資源や支援の面でメリットを受けられる可能性が高まります。

学校広報の役割とは

単なる宣伝ではなく、広報を通して教育方針やビジョンを伝えること

学校広報とは、単にお知らせやイベントの発信を行うことではありません。
発信することを通して、学校が目指す教育理念やビジョンなどを伝えていくことも重要な目的です。
広報活動を通して「その学校らしさ」や「学校のブランド」を伝えることができれば、より学校のイメージを深く印象付けることができます。

学校広報の主な活動内容

広報資料の作成

学校のパンフレットやリーフレット、学校紹介ビデオなど、学校の特色や教育方針を紹介する広報資料を作成します。広報資料には、学校が提供する学びの環境や授業内容、特別活動などを詳細に盛り込み、そうした内容を外部に伝えるためのコンテンツとしての役割を持たせることが重要です。
さらに、卒業生の活躍事例や成功ストーリーを紹介し、学校の教育成果や進学実績なども強調します。これらの資料は、学校見学やイベントで配布され、潜在的な受験生や保護者に対して学校の魅力をアピールする重要な役割を果たします。

イベントの告知・運営

オープンスクール、学校説明会、地域の文化祭やスポーツ大会など、学校の活動を広く外部に向けて発信するイベントの企画や運営も学校広報が担うべき活動です。例えば、参加者に向けた案内状や告知資料の作成、イベントのタイムテーブル調整、参加者の受け入れ準備などが挙げられます。
学校行事のPR活動や、メディア取材の手配も重要な業務であり、地元メディアへのプレスリリースや取材対応を行い、学校の活動を広く報道してもらうよう働きかけます。

SNS・Webサイトの運営・更新

学校のSNSアカウント(Facebook, Instagram, X(Twitter)など)や公式ウェブサイトの管理・更新を行い、学校の日常活動や行事情報をタイムリーに発信します。SNSでは、学校の特色を視覚的に表現する写真や動画を投稿し、フォロワーとの交流を深めることが大切です。
また、ウェブサイトのコンテンツも定期的に更新し、受験情報や学費案内、学校行事のスケジュールなど、保護者や受験生が必要とする情報を提供します。SNSでのコメントやメッセージに対応することも、学校のイメージを管理し、信頼を築くための重要な業務です。

学校内外とのコミュニケーション

校内の教職員や生徒との連携を深め、学校内の活動や方針についての情報を集めて整理し、広報資料やニュースレターに反映させます。教職員との情報共有を通じて、学校の教育方針や重要な変更点を正確に伝えることも学校広報の役割です。
受験生や保護者向けには、学校の特色や受験情報を定期的に広報し、透明性を保ちながら信頼関係を築きます。また、卒業生向けのニュースレターや同窓会の案内を定期的に提供し、学校と卒業生とのつながりを維持します。

学校広報の活動で重要な「ブランド」とは

学校広報に「ブランディング」が重要な理由

魅力を印象づけることができ、差別化に繋がる
学校のブランディングが確立されていると、広報活動を通じて一貫したメッセージを発信でき、学校の特徴や強みが明確に伝わります。これにより、ターゲットである保護者や生徒に学校の魅力を強く印象づけることができます。
このような印象づけは学校のイメージ向上につながるほか、他校との差別化を図るためにも重要な要素です。

学校に対する愛着を高めることができる
学校と生徒・保護者との感情的なつながりを深めることもブランディングの役割です。学校が持つ独自の価値や活動に共感することにより、生徒や保護者は学校に対する愛着を持つようになります。
この愛着は、入学前の生徒であれば学校への憧れにつながり、卒業生であれば母校への誇りにつながります。

まずは「学校のブランドとは何か」整理することが重要

学校のブランドを明確に整理することは、広報活動を効果的に行うための基盤となります。
ここでの「ブランド」とは、教育理念、学問的な強み、校風、地域との関係、学校が提供する体験など、学校を特徴づける全ての要素です。また、ブランド整理を通じて、学校の強みや特色を明確化することが他校との差別化にもつながり、学校の魅力を引き出す手助けとなります。

ブランドを明確に定義することで、広報活動の方向性が定まり、学校のビジョンに沿ったメッセージを一貫して届けることができるため、より効果的に学校の価値を高めることができます。

事例|コンセプトを整理し、ブランディングされた広報活動が可能に(中央大学杉並高等学校様)

生徒募集を強化する上で学校の「ブランド」が必要だった

中央大学杉並高等学校様は、中央大学の附属校という強みを持ちながらも、少子化が進む中で、他校との差別化を図るためには、附属校という特色だけでなく、学校のブランド価値そのものを見直し、強化していく必要がありました。

学校の”らしさ”を浮かび上がらせ、コンセプトブックを制作

同校は、創立50周年という節目を迎えたことや、旧制服が採用から20年を経過していたことを背景に、制服のモデルチェンジを検討していました。これを機に、制服を含む学校全体のブランディングを強化するため、オンワードコーポレートデザインの主導のもと、「制服モデルチェンジに伴う学校ブランディングプロジェクト」を実施しました。

プロジェクトではまず、学校の歴史や将来像を丁寧に整理しました。この過程で明確になった“中央大学杉並高等学校らしさ”は、「学校の“らしさ”ブック」としてまとめられ、生徒や教職員をはじめとする多くの関係者とビジョンを共有する基盤となりました。

PRツールや制服などでブランディングされたアウトプットが可能に

学校の“らしさ”を深く考える中で、中央大学杉並高等学校は、“他者との競争”ではなく、“チームとしての共創”を目指すべき姿として位置付けました。この結果、“共育と共創”をテーマとしたブランドスローガンが明確に定義されました。

プロジェクトの成果として、広報活動におけるアウトプットもブランド戦略に沿ったコミュニケーションが可能になりました。特に、広報で頻繁に使用するロゴやPRツールをスクールアイデンティティに基づいて再定義したことで、学校の“らしさ”を効果的に表現できるようになりました。また、当初予定していた制服のモデルチェンジについても、“らしさ”ブックを基にデザイン企画・提案を行い、ブランドイメージに沿った制服コンセプトを再定義しました。

学校の魅力発信やブランディングについてはオンワードコーポレートデザインにご相談ください

学校ブランドの価値整理を行うワークショップを開催

オンワードコーポレートデザインは学校のブランド価値やコンセプトを可視化するサポートを行っています。
ワークショップでは、グループワークやディスカッションを通して、理念、校風、生徒の特長などから、学校の魅力を紐解いて、ブランディングを行います。

学校らしさやブランドを表現した制服もご提案

生徒が着用する制服は学校のイメージを印象づける重要な要素です。
学校らしさやブランドを発信していく上では、制服の刷新も効果を発揮します。
オンワードコーポレートデザインは、学校の魅力やブランドイメージを表現したオリジナル制服を提案しており、ブランドの発信をサポートすることが可能です。

制服刷新に伴う学校の魅力発信もサポート

オンワードコーポレートデザインは制服刷新と合わせて、学校の魅力発信も行っています。
SNSでの発信や、業界紙への掲載支援も行っているため、制服の刷新を通した貴校の魅力発信までトータルでサポートします。

学校の魅力発信やブランドの整理についての詳細はお気軽に問合せください。

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