制服にはどんな素材・機能性がある?機能性・素材選びが重要な理由も合わせてご紹介
目次
制服を選ぶ際に機能や素材選びが重視されている背景とは
近年の制服は、様々なデザインや機能性、素材のものが展開されています。デザイン面では時代の変化に合わせ、伝統的な制服のイメージから脱却し、ファッション性を取り入れた現代的なデザインが求められるようになってきました。
機能や素材についても、通気性や吸湿性、速乾性など高機能素材が広く採用されるようになっており、従来よりも快適な着心地を実現する製品が増えてきています。
また持続可能な社会を目指す動きの中で、リサイクル素材やオーガニック系素材など環境にやさしい素材を使用した制服も注目を集めています。
このように、近年では着心地や耐久性といった観点だけでなく、ファッション性や機能性、さらには環境配慮の取り組みの一環としての素材選びが重視されている現状があります。
制服を選ぶ上で重要な機能・素材とは
制服に採用されている機能や素材は、着心地や耐久性を大きく左右する要素です。以下では、制服で採用されていることが多い主な機能や素材をご紹介します。
ストレッチ性
学生は上着を着用しながら授業を受けるため、快適に修学できる機能が必須です。また、休み時間に運動したり、通学時に自転車に乗ったりする場合もあり、一般の服に比べ動きやすさや快適な着用感、耐久性が求められます。ストレッチ性のある素材を使用することにより、修学や通学時においてストレスフリーな着心地を実現することが可能です。
さらに、制服は3年間着用しなくてはいけないため耐久性も重要です。
ストレッチ性を高めるため、一般的にはポリウレタンを使用するケースが多いですが、ポリウレタンは耐久性が弱く、劣化しやすいデメリットがあります。
それに対して、ポリウレタンを使用しないメカニカルな組織や仕上げで出すストレッチは耐久性があり、しわになりにくいというメリットがあります。
軽量性
従来の制服は耐久性を上げるために、一般的な服に比べ太い糸を使用して、生地自体に厚みをもたせていました。しかし、そのために生地の重量が非常に重くなり、一日中着用するとストレスを感じやすい難点がありました。
こうした課題に対応するため、近年ではポリエステルの糸を中空にしたものや、ふくらみのある糸を使用しているものが増えています。それにより、従来の生地から10%以上軽量化することが可能になり、着用快適性の向上を実現しています。
防透性
光の透過などにより、白や淡い色のシャツやポロシャツは下着や肌の色が透けて見えてしまうことがありますが、防透性に優れたポリエステルを使用することにより、透けにくくすることが可能です。
防透性に優れたポリエステルは、ポリマーの中に特殊なセラミックスを混合したり、糸の断面を異形にしたりすることにより光を乱反射させて透けを防いでいます。また、特殊な糸を使用することでUVカット効果(紫外線遮蔽効果)も期待できます。
シワ回復性
制服は毎日着用し、座学も多いことからシワになりやすい環境にあります。そのため、シワ回復性も重要な機能の一つです。形態安定性の高いポリエステルなどの合繊や、弾力性に富んだ原料を使用することにより、ドレープ性やストレッチ性が増し、シワになりづらく、いつでも綺麗に着用できるようになります。
洗濯性
従来の制服はご家庭で洗うことができませんでしたが、近年は耐久性の高いポリエステルを多く使用したり、生地を特殊な仕上げ処理をしたりすることにより、ご家庭で洗うことが可能になりました。
また、従来は衣替えの時期でないとクリーニングに出すことが難しく不衛生でしたが、定期的に洗濯することが可能になったため、清潔な状態で着用することが可能になっています。水はけのよい仕様にすることにより、速乾性の高い制服を実現できるため、洗濯後の乾燥もスムーズに行えるようになっています。
吸汗速乾性
制服は汗で濡れると、身体にくっついて動きづらく蒸れしまい、着心地が不快になりやすいことが難点です。また、濡れた制服を長時間着用すると体が冷えてしまい、体調を崩す原因にもなります。吸汗速乾性の高い制服を着用することで、汗を素早く吸い上げ、素早く発散させることで衣服内を快適に保つことが可能です。
吸汗速乾性のある制服としては、繊維の断面を表面積の大きい異形にしたポリエステルを使用したり、毛細管現象を利用したものや、本来疎水性のポリエステルに親水性に優れた吸水剤を使用したものがあります。
消臭
運動量の多い学生は汗をかきやすく、そのまま着用していると臭いが気になりやすいです。制服の生地や附属に消臭加工を施すことにより、汗の臭いの元(アンモニア、酢酸、イソ吉草酸)を分解し、長時間快適に着用できるようになります。
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