制服刷新で変わる志願者数
― デザイン変更が生む“ブランド価値”と“選ばれる理由” ―

近年、多くの学校が制服刷新を検討しています。背景には、少子化による志願者数の減少、価値観の多様化、そして「選ばれる学校づくり」へのシフトがあります。 オンワードコーポレートデザインでは、制服刷新を通じて学校のブランド価値を再構築し、志願者増を実現した学校を多数支援しております。今回は、公開調査データと実際の導入傾向をもとに、「制服刷新の効果」をデータで紐解きます。

生徒が認める“制服の必要性”

制服は、生徒が最も長く身につける「学校の顔」。 そのデザイン・素材・シルエット・カラーは、学校の印象を左右し、保護者・志願者が学校を選ぶ際の感性的判断軸にもなります。では、実際に生徒や保護者は、制服という存在をどのように捉え、どのような価値を見出しているのでしょうか。  

長年ファッションや衣服デザインに関する教育・研究に携わっている、北翔大学教育文化学部芸術学科 の加藤 万紀氏は、北海道の公立中学校に在籍する生徒とその保護者、教員の合計806名を対象としたアンケート調査を実施し(2023年発表)、これからの制服に対する意識やメリット・デメリットについて深く掘り下げています。 

その結果、生徒と保護者の約8割は制服に対して必要性やメリットを感じ、ポジティブに捉えていることが明らかになりました。具体的に制服の必要性を問う項目では、「あった方が良い」「どちらかといえばあったほうが良い」と回答した生徒で79.8%、保護者では82.8%に達しています。また、生徒からは「学生らしい」、「学生のときしか着られない」、「緊張感が持ちやすく気持ちが引き締まる」といった肯定的な声も寄せられました。 

 一方で、同調査では制服に対する切実な不満も浮き彫りになっています。生徒の約7割が「堅苦しくストレスに感じる」と回答し、保護者からは「性差によるデザインの違い」をデメリットに挙げる声が根強くあります。 

つまり、「制服は必要だが、今のままでは満足できない」という潜在的なギャップが存在しているのです。このギャップを埋め、時代に即した「多様性」や「機能性」をデザインに反映させることこそが、制服刷新の真の目的であり、志願者に対して「生徒一人ひとりを大切にする学校」という強力なメッセージとなるのです。

出典:加藤万紀 研究論文「これからの学校に求められる制服デザインの方向性―コロナ渦における公立中学校の制服に対する意識調査から―」(『北翔大学学術情報センター年報』Vol.15,2023年,P23.図7-1・図7-2)

制服刷新の効果とその背景

制服刷新は単なるデザイン変更ではなく、「教育理念を社会へ発信する手段」として注目されています。文化学園の研究によると、制服リニューアルを行った学校では「多様性への対応」「地域文化との調和」「学生の主体性表現」など、教育的観点からの刷新理由が増加しています。 

特に、ジェンダーレス対応や複数デザイン制の導入といった動きが拡大しており、制服が教育方針の象徴として再定義されています。 

出典:加藤万紀・文化学園ファッション学部研究(2023年)

成果を出した学校の共通点

成果を上げた学校には、次のような共通項が見られます。 

1.現場(生徒・教職員)を巻き込んだ刷新プロセス 

 → 投票やアンケート形式で意見を反映し、自分たちで選んだ制服という納得感を形成。 

2.広報・募集との同時リニューアル 

 → 制服刷新を学校案内や説明会ビジュアルと連動させ、訴求の一貫性を高めた。 

3.理念をデザインに落とし込むストーリーブランディング 

 → 「地域性」「多様性」「新しい時代の教育観」といったキーワードを織り込み、保護者の共感を獲得。 

学校ブランディングにおける制服の役割

制服は「理念を見える化するデザイン資産」です。経営方針・教育理念を視覚的に伝え、学校全体の統一感を創出する効果があります。 

・学校の信頼・安心感を形成する 

・在校生・卒業生のロイヤリティを高める 

・学校広報(パンフレット・SNS・映像)の主要素材になる 

 特に近年では、「多様性対応」や「ジェンダーレスデザイン」など社会的意義を踏まえた制服刷新が注目されており、学校の社会的メッセージを伝える手段としての価値も高まっています。 

導入の進め方

理事会や校長会での合意形成には、効果を提示することが重要です。導入の進め方はもちろん、どのように制服刷新を進めていくかなどあらゆるご相談を承っております。 

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